SAITOコラム
新しい板金加工のはなし
プロだから熱い想いがあります
時代の変化にフレキシブルに対応しながら品質への頑固なこだわりを持ち続ける齋藤製作所。私たちが精密板金・溶接に寄せる想いをお伝えします。
特殊なカスタマイズ製品を“得意”といえる自負
私たち齋藤製作所が順調な成長を遂げてきた一番の理由。それは、私たちがむずかしい課題をクリアした製品を長年主力製品としてきたことにあります。
その製品とは、冷蔵冷凍コンテナトラックのコンテナ部分に使われている金属パーツ。あるお客様からのご要望に応じて企画設計から製造まで対応するなかで、冷凍冷蔵コンテナという特殊な環境で使われる金属を板金加工するという、独自のノウハウをもつことができたのです。
防水・防錆への対応技術、加工がむずかしいステンレスの加工技術、そして高度な溶接技術を蓄積してきました。また、規格品ではなく特殊なカスタマイズ製品を生み出す技術ノウハウも蓄積。その過程で、生産環境の向上、技術者の充実にも力を入れました。これらを齋藤製作所の強みとして、現在、自信をもってアピールできる状況となっています。
「水は低きに流れ、人は易きに流れる」という孟子の言葉は、「自然のなりゆきには逆らえない」というのが本来の意味だそうです。しかし、私たちはあえて低きに逆らい、易きに逆らって、難易度の高い加工や溶接、むずかしさのあるカスタマイズなどに積極的に取り組み、お客様に付加価値を提供できる企業でありたいと考えています。
“手に職”は時代に対応した企業で
「手に職」という言葉を聞いたことがありますか? 辞書には「身についた、生計を立てられるような技能」と書かれています。その通り、特定の技能(職能・技術・資格など)を習得することにより、収入を得て生活していけるようになることを示します。
精密板金や溶接の技術者にとっては、板金技術、溶接技術を身につけることは、まさに「手に職」をつけること。正しい知識や基本の技術を習得し、経験を積んで応用力や多様な場面での対応力を身につけることは、一生モノの生活力を手にすることといっても過言ではありません。板金・溶接の技術は、あらゆるものづくりの業界で必要とされ、しかも技術者の技能の高さが大きな価値として評価されるからです。
とはいえ、素材、手法、マシンのコンピュータ化など、時代とともに大きく変化している業界であることも確かです。だからこそ時代の変化に対応している企業で知識や腕を磨くことが重要なのです。時代に合った製造環境や製造体制を備えた企業で、最新の情報に触れながら仕事をするのと、そうでないのとでは、技術者としての実力にどうしても差が出てしまうもの。また、仕事を発注するお客様が信頼するのも、製造体制のしっかりしたつくり手です。
世の中は起業家ブーム、副業ブームで、少しでも早く独立することをすすめる風潮があります。しかし、本当に使える“手に職”を身につけ、納得のいく稼ぎを得ようと考えるなら、あせりは禁物。確実に自分が成長できる職場を選び、目的をもって働くことが、地味でも一番の近道だと思うのです。
第4工場 快調に稼働中です
2022年4月に第4工場が完成し、快調に稼働を続けています。第2、第3工場同様、溶接専門の加工棟として設計施工されました。
第4工場は床面積●●㎡の平屋建て。現在、主として特殊型空調機製造の溶接プロセスを担当しています。工場、各種施設に設置される、比較的規模の大きい空調機の●●●部分の溶接で、工場新設と同時に導入したAMADA ENSIS-3015RIと、溶接工10名で取り組んでいます。
今年(2022年)は、6月に気温35℃以上の猛暑日が何日も続き、建物の空調機能の重要性があらためて注目されました。また2020年以来のコロナ禍でも、空調システムの重要性に多くの人々が注目しました。空気循環や室温・湿気調整の機能だけでなく、省エネやカーボンニュートラルの観点からもさまざまな機能の向上が期待される空調設備。その形状、耐久性能などに私たち齋藤製作所の精密板金技術・溶接技術が関わり、役立っていると思うと、仕事にも熱が入ります。
高温での作業が不可欠な溶接工程を、安全に快適に進めるため、第4工場にはファンや圧力扇が設置され、クリーンな作業環境が保持されています。
齋藤製作所では今後も溶接のさらなる可能性に挑戦していきたいと考えています。